![]() |
次の最終話だけはちゃんと投稿する日に絵を描くことにします 本文もがんばろ・・・ あああああああああああああうあうあうあ ダッシュ最高や!大好きや!
今日はここまでー また来週!
ついにやってきた決勝戦・・・グラウンドを前にガンバーズメンバーはみな静かだった 親父を亡くしたばかりの竜太にかける言葉が見つからなかったのである ドンヨリ重い空気の底、竜太はベンチに置いた今はからっぽのボールにうつろな目で話しかける 「大丈夫だよ、親父・・・きっとうまくやってみせるから・・・」 みるに絶えられなくなった小野が前にでて、もうボール親父はいってしまったと諭すのだが 竜太は逆上して言いかえしてきた 「ふざけるな!たったひとりの家族なんだぞ!諦められるわけないじゃないか!」 怒りに顔を歪ませ仲間にあたるキャプテン、チームメイトに不安が走る 監督は小野の肩を掴んで泣きそうな小野に克をいれる 「竜太どのがあんまり可哀想で・・・」 「バカヤロウ!坊さんてのは人に生き方を教えるものだろ?それをなんだお前は 生きるのが嫌になるようなことばかりいいやがって!・・・まだ終わってないんだ 本当の奇跡だっておこるかもしれないだろ?なあ、みんな!」 ぶるっと身震いさせ少年達は気合をいれなおす 、そう・・・試合はまだこれからなのだ 試合開始の挨拶で、みんなリトルガリバーズのメンバーと向き合って並びだした お互いに頭をさげ「よろしくおねがいします!」と大きな声をあげる 顔をあげ竜太が正面をむくと、そこにはきりっとした顔で真剣な目の零人がいた 「ようやく・・・君と本気の勝負だ、絶対に負けないからな」 ドクッ いつかさくらとであったときのことを思い出す (・・・お兄ちゃん・・・?) 世界がゆらゆらと歪んでいくのを感じた 今までにない緊張感の中、リトルガリバーズ先攻で始まった試合 恋女房を心配しつつもスキのないピッチングで堅実に守っていく無田 しかし敵の零人はいままでのライバルと段違いの投手でバットにかすりもさせてくれなかった 風を裂く剛速球に、あれからまた酷く曲がる様になった読めない変化球の数々 監督は「疋田が抜けて守備力は以前ほどではないだろうと甘く見てたな」と頭を抱えた さらに零人は竜太の打席になるといきなり必殺技のサイバーナックルをみせてきたのである! ジュブアァァァァーーーーーーーーーーーッ!!! 球場のざわめきが一瞬止まった、目も止まらぬ速さで走った白光はうなりをあげ 竜太をまっぷたつに裂くように振り落ちる それはまるで死神の鎌のようだった 瞼の奥に刻まれた球痕が口角をあげニヤリと笑う これが零人の本気・・・!小学生離れした魔球に衝撃を受けライバルの顔をみた竜太は また、全身を砕くような激しい眩暈に襲われた 「お前が・・・俺の・・・双子の弟・・・?」 竜太の前に透明な鑑が建つ、零人は歪んだ半身となり、今にも倒れそうな真っ青な自分が映る 血の気が引いていく体、現実感を失った竜太はもう夏の暑ささえも感じられずにいた
以降も互いに得点を許さぬまま、0対0で試合は5回裏へ 二つ目のサイバーナックルをくらい、落ち着きをなくした竜太はイライラを仲間にぶつけだした 「なんでみんな打てないんだよ!あのナックルは俺専用でみんなにはきてないだろ!? 打つの楽じゃんか!せめてバットにくらいあてろ馬鹿!」 自分も三振してることを棚にあげ勝手に怒りつづけるキャプテンにメンバーも反抗する 「僕達だって頑張ってるんだよ!」「キャプテンだからってそんないいかたないでゴワス!」 「ふん!お前本気で親父さんが生き返ると思ってんのかよ!」 二ノ宮の一言でついにキレた竜太は拳をふりあげる、間に止めにはいったさくらも突飛ばして・・・ 首からのぞくわんこへのプレゼントのネックレスをみつけると、彼女を救えなかったことを思いだし カッとなってひきちぎった! 「なんだこんなもの・・・くそっ!」 バンバンとちぎったさくらの想いをくしゃくしゃの顔で踏みつける 「ひ、ひどい・・・!うああああああん!」 さくらの鳴き声とともに無田が飛びだしてきた 「いいかげんにするでやんす!!!」 ・・・・・・バキィィッ!!!・・・・・・ 静まりかえる一同 殴られた頬をそっと指で確かめる竜太、じんわりと暖かく痛む感覚 目にゆっくりと光が戻っていく 「リーダーは仲間を信じてみんなを強くするものでやんす・・・ オイラ達は竜太君を信じてキャプテンになってもらいたいと思ったんでやんすよ 落ち着いて、いつもどんな時でも頑張っていた竜太君に戻ってほしいでやんす ・・・オイラも最後まで諦めないで頑張るでやんすから・・・!」 そういうと無田はぶるぶる震えながら背をむけていってしまった みんなもそれぞれ想いを胸にひめ、もとの場所へ戻っていく 呆然としていた竜太はバッグから瑠璃花にもらったファイルがはみ出ているのを見つけた 手にとってパラパラとみると最後のページに自分の字でない書き込みがあるのに気づく そこには瑠璃花からのメッセージが贈られていた ・・・・・・「頑張れ」 一方その頃、とある電気屋の前ではちいさな人だかりができていた 自分達の町から全国へでていったガンバーズの試合中継を地域の人たちが応援していたのである 商店街の二ノ宮の父親が「自分の息子がでてるんだ」と上機嫌で観客に麦茶を配る (どうでもいいが顔がそっくりの親子) 子供達の活躍に一喜一憂する人々、そのなかには真剣な表情で試合を見守る瑠璃花もいた 後ろからあのときの借金取りが近寄って話し掛けてくる 「・・・なかなか打てへんなあ、ボウズ」 「竜太は負けません・・・約束、信じてますから・・・」 幼くも強い心を持った凛々しい少女は、遠くの戦士達へ祈り続けるのだった (私には応援することしかできないから・・・せめてこれ以上ないというくらい祈るんだわ ・・・・・・頑張れ、頑張れガンバーズ!)
竜太に「頑張る」といってみせた無田、親友のため、チームのため せめてみんなが走り出す一歩ぶんの道だけでも作ろうと奮闘! 奇をてらった初球バントで油断をつき、必死の走塁でついに一人目のランナーとなった! 打線は再び頭からに、続く鈴駒もなんとかこのチャンスをつなげようとヒットを重ねる もりあがる歓声、二番打者のさくらは竜太を一度ふりかえると またキッと強い表情をうかべ投手へむきなおった 「竜太君、みてなさい・・・負けないわよ、お兄ちゃん!」 ここでさくらも連打!勢いに乗ったガンバーズ・・・無死満塁となる しかしここで奇襲に押されていた零人が調子を取り戻し、小野はあえなく凡退となった 「竜太殿・・・まかせたでござる・・・!」 この試合で最大最高の大勝負がやってきた、四番対エースのがけっぷち勝負である ベースに立った竜太を見て零人はぞくっと身震いをした 自分に野球を教えてくれた竜太、ずっと戦いたかった最高の友達で因縁のライバル 今まで父親のいいなりだったが、この最強のバッターに勝つことで 自分がようやく本当の自分になれる気がしていた 「もう親父には頼らない、僕自身の力で君を倒してみせる・・・!」 そして竜太も震えていた、目の前の重い現実に がくがく震える足をごつんごつん叩き、大きく深呼吸をする 「落ち着け・・・落ち着けよ・・・零人が生き別れの弟とか今はそんなのどうでもいい このグラウンドでは、あいつは少年野球最強のピッチャーで、俺のライバル・・・それだけだ そして俺はガンバーズのキャプテンで、誰でもない、流しの虎の息子・・・不屈竜太なんだ!」 最後にバチン!と頬を強く叩くと竜太はしっかりした顔でバットを構えた もう迷いはなかった、野球をしているなら戦うだけだ 大空から吹きおろされる風が黒いもやを掃き飛ばしていく 「いくぜ!これが僕の全力、サイバーナックルだ!!!」
ギュオオオオオオオオオオオォォォォォーーーンンッ!!! 太陽を背に振り下ろされる零人の銀色の鎌、竜太は今までの打席で体で覚えた経験をもとに 全神経でその球先を捕えようとする! 息をするのも忘れ、バットをちぎれんばかりに振りきった! ・・・・・・キャキィィーーーーーィィン!!!・・・・・・ 選手達が、観客達が、固唾を飲んでその行方を見守る ふりあげられた白球は風に流れ・・・流れて・・・ 「・・・アウト・・・!アウトだ・・・っ!」 あわあわとアウトを叫ぶ審判、おしくもフライに!リトルガリバーズの見事な送球で 無田もホームで捕まりダブルプレーのチェンジに終わった・・・ 「・・・くそっ!」 残念そうに首をふり天を仰ぐ竜太、だがその顔はふっきれて笑っていた 仲間達もキャプテンの復活に士気を取り戻す 竜太はちぎれたネックレスを結びなおしさくらに謝るとみんなにも頭を下げた 「色々とゴメン、やっと目がさめたよ、思うことは沢山あるけれど俺達は今野球をしてるんだったな なら・・・やるべきことはひとつだ、頑張ろう!目指せ優勝あるのみだ!みんな!」 ーーーおおっ!−−− 再びひとつになったガンバーズ、ところがリトルガリバーズのほうではなにやら異変が起きていた・・・ ピンチを脱してほっとしていたリトルガリバーズ、しかし最後の球を投げた後 零人が肩に痛みがでてきたというのだ・・・あわてだすメンバー そう、問題のサイバーナックルはこの大会で三回までと言われていたのだ それを零人は無視しすでにリミットを越えていたのである これ以上は危ないと相方の金岡が広橋に代わるように告げるのだが・・・広橋はここで首を横にふった はじめはレギュラーの座をいきなり取られて腹もたっていた、大嫌いだった でもここで降りたら零人はずっと後悔するという ざわつくチームメイト、金岡はここで故障してずっと野球ができない体になったらどうするんだと講義 「大体さぁ、そんなことになったらうちのパパンが才葉の会社に・・・」 「・・・投げさせてくれ、雫」 肩を痛そうに押さえ睨みつけてくる零人、もう意地だった 「ずっと・・・決着がつけられなかったんだ、前みたいに途中退場なんてゴメンだ!」 「マジィ!?君ね、中学いっても野球続けてればま戦う機会もあるでしょーが!」 「今じゃなきゃダメなんだよ!!!」 零人は焦っていた、父に反発して飛び出してきたからには ここで結果を出さなければ男として帰れなかった 広橋ほかまわりの子供達も零人の闘志にのまれ彼を使って欲しいと押し出す とうとう根負けし、金岡は監督と相談して最後まで零人に投げさせることにした みんなに礼を言う零人、金岡はまだすこしぶすっとした顔だったが・・・ 「パパンのこともあるけど、アタシも心配なんだ・・・ケガ、酷くしないでね」 「ありがとう、やるからには勝つぞ・・・雫!」 そして試合は互いに無得点のまま延長、最終イニングの9回裏まで持ち越した まるで漫画やゲームのような展開、ツーアウト・ランナー無し、ラストバッターは四番不屈竜太 文句のつけようのない、背筋の凍るような大舞台が二人の対決に用意されたのである・・・ 39話終わり、最終話に続く
| ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
PaintBBS Server Ver.20050301
|
---|