異常気象(仮)〜savaと総の交換日記〜
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彼女は「ラ」の音、440Hzで俺を呼ぶ。 彼女は、はじまりの「A」の音で僕を呼ぶ。 この世は音に満ちている。だがその聴こえてくる音全てが耳に心地よいわけではない。 街の雑踏、木々のざわめき、鳥の声、…そして、人の声。 「ねえねえ、あの人格好良くない?」 「ほら…あれが例の」 「ああ!もしかして…よね」 煩い、煩い、煩い。 噂話なら聴こえないところでやってくれ。 「きゃー綺麗、ほんと男の人とは思えなくない?」 「あの髪の毛、触りたい〜」 君達が褒める『僕の外見』は自分で選んだものではない。 耳に、頭に、これ以上の雑音を垂れ流さないで。 思わず固く目を瞑る。世界をシャットアウトする為に。 それでも塞ぎきれず、ノイズに飲み込まれそうになった時、ノイズの向こうから声が、した。 それは透き通った「ラ」の音。 「先輩?」 彼女は「ラ」の音、440Hzで俺を呼ぶ。 彼女は、はじまりの「A」の音で僕を呼ぶ。 ラの音はA。440Hz。1秒間に440回の振動音。 それは楽器を調律する基準音。 そしてこの世に生まれてきた赤子が最初にあげる産声の音。 心地よい声、心地よい音。 ゆっくりと目を開けば、彼女の後ろに世界が広がっていた。 彼女の声で 俺は 僕は 世界と調和する。 君が笑ってくれるなら。 声を出して、世界の音に参加する。 「いいや…なんでもないよ」 「うん。大丈夫」 君が俺の 君が僕の チューニングキー ◇ はは、昔取った杵柄。音楽で書いてみたり。 ノイズになるか、音楽になるかはチューニング次第。 ゆずゆずは望ズにとって音叉のような存在なのかな、と思って。 あ〜補足説明しますと、「ラ」は「A」(「ド」は「C」です)と表記しまして、オーケストラのチューニングの音なんです。 吹奏楽なんかだとB♭(ベー)でチューニングしますけどね。 キスの意味の「A」とチューニングの「チュー」もかけようかと思ったけど、やめた。 タイムマシン使用後だと、のぞみにそんな大それた事できやしなかったというか…(笑)
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