異常気象(仮)〜savaと総の交換日記〜
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敦盛は慣れた様子で門――表門ではなくて横についている通用門の方――を開きながら、のぞみを振り返り中に入るよう促した。 のぞみは恐縮しながら、敦盛が開けてくれた扉をくぐった。 「すみません、会長」 会長、とのぞみに呼ばれた敦盛が苦笑する。 「学校以外でそういう呼び方をされるのはあまり好きではない…今日はヒノエの友人として共に招かれているのだし、名で呼んでもらって構わない」 「え、ええっ。ですが…」 そう言われてもまさかいきなりヒノエのように、敦盛と呼びすてにする訳にもいかない。 敦盛はこの春のぞみが合格して通い始めた高校――青龍学園東高――の、ひとつ上の先輩で、先日行われた生徒会選挙で生徒会長の座についた人物なのだ。 困ったように首を傾げたのぞみに、敦盛はふっと悪戯っぽく笑って言った。 「…では、私も君の事を書記と呼ぶが、構わないだろうか」 「会長…もう、ボクを困らせないで下さい」 ぷうと膨れっ面を作って答えたのぞみに、敦盛は、冗談だ、と愉快そうに笑った。 のぞみも周りに押されて新入生ながらも生徒会選挙に出て、書記の座を射止めたのだ。 「ええと、そうですね……では、敦盛先輩?」 「先輩、も好きではない。一つ二つしか違わないのに、仰々しい風習だと思う」 「そうですか?」 のぞみがふっと微笑んで言った。 「……ボクは、割と好きです」 先輩、と自分も呼ばれていたつい先日までの日々が頭をよぎったのだ。 自分をそう呼ぶ、軽やかな、声。 『先輩』 彼女はまだあの学校で最後の一年を過ごしている。そして自分は新しい学校での一年を。 彼女の声が聞こえない日々は思っていたよりも、淋しくて。 敦盛のみつめる視線に気づいたのぞみは、ぱっと表情を変えて答えた。 「あ、ええと、でも『先輩』が嫌なら…そうですね、じゃあ…敦盛さん、と呼んでもいいでしょうか?」 「そうだな。私も、君をのぞみと呼ばせてもらっても構わないだろうか」 「はい!」 のぞみは先程の思考を振り切るように、ぐるり、と視線を廻らせて手入れの行き届いている広い庭園を見た。 「それにしても広いお庭ですね!これだけ歩いてるのにまだ家につかないなんて凄い」 「ヒノエとは長い付き合いなのだが、ああ見えてヒノエはあまり自分の事を知られるのが好きではない」 「そうなんですか?」 「見ての通り、これだけの家の息子だから・・・そこに色々と付け込もうとする輩も、いるからな」 「ああ、それは…」 二人はその場で立ち止まり、どこまでも続く緑の芝生を眺めた。 のぞみは、ふむ、と顎に手を置いて考え込んだ。 「確かに、これだけお庭が広かったら、サッカーさせろとか野球させろとか言いたくもなりますね」 真面目にそう言ったのぞみに、敦盛は一瞬目が点になった後、ぶふっ!と噴出した。 「敦盛さん?」 「い、いや…今のはそういう意味で言ったのではなかったのだが…」 ごほごほと咳き込みながら、敦盛はそれでも笑いやめずに言った。 「…のぞみは面白いな」 「あの、ボク何か変な事言いましたか?」 「いや…ヒノエが君を気に入るのも分かる。君は、楽しいな。のぞみ、これからもヒノエ共々、私とも仲良くしてくれ。ヒノエも困った所があるが、悪い奴ではないから、よろしく頼む」 「いえ、こちらこそ!」 ぶんぶんと音がするほどに首を振ってのぞみが答えた。 敦盛はのぞみの長い髪がその動きに合わせてさらさらと揺れるのを好ましげに見つめて、また笑った。
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(空白)
「うわあ、大きいお家ですね!」 思わずそう声を上げてしまったのぞみに、その隣に並んで立っていた敦盛が、ぷっ、と堪えきれず笑い出した。 「・・・これを見て「おうち」と呼んだ人は初めてだな」 敦盛がそう笑うのも無理はない。 二人がこれから訪問しようとしている目の前の邸宅は、いわゆる普通の「お家」という概念からは百万里も掛離れていたからだ。 和風の落ち着いた色合いの漆喰の塀はどこまで続いているのか終わりが見えない。その塀に相応しい立派な門構えの玄関、その後ろに続いているインターフォンを押しても果たして遥か遠くに見えている建物に聴こえているのかどうか思わず疑わしくなる程の広さの庭。豪邸、というのにも躊躇うような、旅館か史跡か博物館かというような建物なのだ。 『よお、時間どおりじゃん』 機械越しに聴こえてきた友人の気安い声に、ようやく、のぞみはほっと息をついた。 「ヒノエくーん!こんにちは。ああ、驚いたよー」 『はは、とんでもねえ家で悪いな。ま、気兼ねせず入って来いよ。それともそっちまで迎えにいこうか?』 「・・・私が一緒だから、その必要はない。君もそのつもりで私を呼んだのだろう?」 『ふふん、察しがいいじゃん。じゃあ俺の姫君のエスコートをよろしく頼むぜ、敦盛』 「姫君って誰!そういうのやめてって言ったでしょ!」 のぞみの叫びにヒノエは軽やかな笑い声を上げると、通話を終了した。 ◇ のぞみくんバースデイなので久しぶりに投稿。 長い文章が書きたくなったので、ぼちぼち書きます。 のぞみ君高校一年生の春のお話です。
タイトル書き間違えたww 久しぶりすぎて、色々間違えすぎてどうしよう。
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「譲子ー」 「何だよ、のぞむ兄さん」 のぞみとのんびりお茶をしていた譲子が、譲をつれてやってきたのぞむを怪訝そうに見る。 せっかくの休日のバレンタイン。 ぜったい二人っきりで過ごすと思ったのに。 「ハッピーバレンタインってことで、俺からプレゼントだ」 「のぞむ兄さんから?」 ますます怪訝そうにしながら、箱を受け取る。 ぬいぐるみでも入っていそうな大きさだが、それにしてはやけに重い。 包みを開けてでてきたものを見て、譲子はあんぐりと口を明けた。 「何だよ、これ!!」 「お前そっくりだろ」 けらけらと笑うのぞむを、譲子が睨みつける。 でてきたのは、陶器でできたたぬきだ。 ごていねいに緑色である。 片側にとっくり、片側に台帳があるのは普通のたぬきの置物と同じだが、違うのは色がうぐいすいろというところと、両手を組んで可愛らしくお姉すわりをしているところだろう。 どこから見つけてきたんだ、と言いたくなる品物である。 「この狸目がまためがねみたいだろ? いやぁ、アンティーク陰陽で見つけたときは、運命を感じたね」 「身銭切ってまで嫌がらせするな!」 「失敬な。だいたい見つけたのは譲ちゃんだぞ」 真っ赤になって怒る譲子に、しれっとのぞむが言う。 え?と譲子に見られ、譲はこまったように笑った。 「ごめんね、譲子。いやだった?」 「あ、その、いやっていうか」 「なんか、ふっくらしていて可愛くて、譲子みたいだなーって思ったんだ。 だから、最初はのぞみくんにプレゼントしようと思ったんだけど。 先輩が、自分がプレゼントするって言うから」 はい、のぞみくんにはお菓子、と譲が渡す。 「ほんと、譲子ちゃんみたいだね」 「ふくよかなところがとくにな」 にこにことのぞみがたぬきを見ると、くつくつと笑いながらのぞむが続けた。 「どうせ譲みたいにスリムじゃないよ!!」 「譲子はグラマラスだからね」 ふわんと微笑む譲に、譲子がため息をついた。 自分そっくりの外見だから、忘れがちだが、譲はどちらかというとのぞみ属性なのだ。 すなわち、天然ボケ、炸裂。 「さて、用も済んだし、いくか」 「ごめんね、邪魔して」 のぞむに抱き寄せられ、赤くなりながら譲が言った。 そうして出て行く二人を見て、譲子が呟いた。 「このためだけにきたのかな」 いったい何がしたかったんだ、と譲子が言うと、のぞみが笑った。 「譲ちゃんが渡したいっていったからじゃないかな」 「でしょうね……」 相変わらず譲第一のいとこは、多少の嫉妬も込めて邪魔しに来たのだろう。 大人気ない、と譲子が心の中で呟くと、のぞみがたぬきの置物を見て言った。 「でも、本当に可愛いね。譲子ちゃんみたいにふわふわした感じで」 いいなぁ、というのぞみに、譲子は赤い顔でたぬきを差し出すのだった。
「それにしても、マジ似てたよな」 笑って言うのぞむを見て、譲も微笑む。 プレゼントのケーキとお茶を出しながら、譲が言った。 「最初に、目がいったのは、手、なんです」 「手?」 はい、とうなずく譲を、のぞむが不思議そうに見た。 「祈っていたから」 手に持っているものを背負ってまで。 「譲子は、祈っていたから。いつも、人のために祈っているから」 自分と違って、と譲が呟くので、のぞむがぐいっと抱き寄せた。 「でも、俺は、そういう譲ちゃんが好きだよ。 いつでも誰かのことを考えている、君が好きだ」 「先輩……」 そんなんじゃないといいそうになった唇を、のぞむはゆっくりと塞いだ。 どちらも甘い、恋人たちの日。 ======= くっついた後のバレンタインですかね?(きくな) 職場にあるのですよ、緑の狸。 くりくりとした目。お祈りポーズの女の子な緑の狸を見たときはもう。譲子ちゃんを連想していました。 それにしても、何故に緑……(笑) さて、現在修羅場中のsava様がいったい何日にここの更新に気付くか、ちょっぴり楽しみなのでした。
みどりのたぬきは、てっきり某カップラーメンかと^^ 2日遅れで気がつきました。 譲子ちゃんのペーパーも作りたいけど無理かな〜〜 時間欲しいなあ。 まだまだ修羅場なのだ〜〜
一週間くらいかかるかと思っていたのに、以外に早かったですね(笑) ペーパーいいですねぇ。見たいなぁ(そそのかしv) のぞむはアレです。譲からのぞみにプレゼント、というのが気に入らなかったので、自分でプレゼントしたのでした。 目の前のスペースで陶器市をやっていて信楽焼きのたぬきがあったのですが、 その中に緑色を見つけたときはコケました。 なぜに緑のたぬき……某カップメンはもちろん連想しましたが。 しかもお客さんが「男のこのほう」なんていうから、信楽たぬきに女の子なんていた?と見たら、 緑のたぬきが女の子すわりしてるの。 思わず買いそうになりましたよ(笑) シャメしたくても、携帯持込はできないので。みせたかったですよー!! 修羅場は、どんなに長くてもあと10日。 がんばってくださいませー
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>総さま やっと!幸せな2人を描けてうれしいです。 もうすぐここ異常気象も発足3周年… た、たしかに長い道のりだった^^; でも長く書いてるからこそ出来る事もあるのかなーとか思ってみたりしてます。 そして短髪のぞみ君、ようやくのお披露目です。 でも実は最近の絵の彼は、短い髪ver.で書いてたりします。へへ。 大丈夫、譲子ちゃん。のぞみはスケベだからすぐ伸びるよ^^ 少なくとも、ログ見直したら、はろいんまでには結構伸びてる…(事にしないといけないらしい) まだまだ続きありますので、のんびりお待ち下さい。 本編も…わはは。頑張ります。
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のぞみくん、18禁しちゃったの!?(笑)
先輩の硬い視線に、私の背筋がしゃん、と伸びた。 「はい」 思わず居住まいを正した私に、先輩はふっと優しい笑って「ありがとう」と言った後、また庭を見ながら、ぽつり、と言った。 「…願掛け、だったんだ」 風が出てきたのか、さわ、と庭木が揺れた。初夏の日差しに晒された緑色が、眩しく煌めく。 しばらくそうして木の影を見た後に、私は口を開いた。 「どんな願いだったんですか…って聞いてもいいですか?」 先輩は光が眩しいのか、少し目を細めて、けれど窓からは眼を離さないままに言った。 「ボクが子供の頃の事、覚えてる?身体が弱くて…病院ばかり行ってて」 「はい」 忘れたりしない。先輩は子供の頃、本当に優しくて儚げな男の子だった。だから、私は不安だったのだ。 いつか、もしかしたら、神様がどこか遠くへ連れて行ってしまうんじゃないかって。 「…ボクはね、ずっと、大人になれないと覚悟していたんだ」 先輩の言葉に、私ははっと胸を突かれた。 「18まで生きられないと思ってた。だから18まで生きられますように。それが、願いだったんだ…」 ベットにいた先輩は、熱に浮かされていても、具合が悪くても、いつでも私達を笑って迎えてくれた。 だから気付かなかった。先輩の不安は私なんかよりも、ずっと重かったに違いないという事にさえ。 「そんなっ、今は…」 言いさした私に、先輩は何かを確かめるかのように頷いた。 「うん。超えられた」 先輩は今年の春、18歳になった。 「だから言えるんだ」 先輩は庭から目を離して大きく息をつくと、私を真っ直ぐに見つめて言った。 「――君が、好きだった」 先輩は、私を、光る庭を見つめていた時のように眩しげな瞳のまま、見ていた。 「…出会った時から、ずっと」 その時、光のように突然、古い映像が網膜を焼いた。 あれはいつの事だったのだろう。 母に手を引かれて、知らないお家にやって来た不安… でも外は今日のようにいい天気で、きらきらと光る庭に、いてもたってもいられなくなり、こっそりと抜け出して、花を追いかけているうちに迷って、不安になって泣いていた幼い自分… 私の混乱など知らず、先輩は淡々と言葉をつづけている。 「どうせ死んでしまうなら…言わずに消えようって思ってたんだ。君の事を思う気持ちごと葬ってもらおうと」 その声が遠くに聞こえた。 頭の中の映像は古い映画のようにカタカタと音を立てそうにぎこちなく、それでも止むことなく続いていた。 雨のように降る花の中から聞こえた声に目を上げれば、いつの間にそこに現れたのか、か細い少年が心配そうな瞳で立っていた。 少年の肩までの髪の毛がさら、と花風に揺れていた… 『…どうして、ないているの?』 「なのに、諦められなくて」 映像はゆっくりとゆっくりと、私の頭の中でまわり、 少年の姿は次第に目の前の青年へと重なっていった。 あれは、あの子は。 「せん…ぱい…」 ぱっと表情を変えて、先輩が笑った。 「あはは。やっぱり気持ち悪いかな。こんなに暗くて、重い話はないというか」 そう言って笑う瞳の奥に、傷つくのを恐れている少年の面影が揺れたのを見た瞬間、私は何も考えられずに、ただ手を伸ばした。
「先輩っ…!!」 先輩に触れた瞬間、細い肩が、びくり、と揺れた。 私はそのまま、先輩を思い切り抱きしめた。 あの時、思ったんだ。やっと会えた、と。 今度こそ、この手を離してはいけないのだと。 「―もう、ひとりで苦しまないで……!」 忘れていた記憶の昔から、今まで絶えることなく。 「大好きです…!!私も大好きです。ずっとずっと」 強張っていた先輩の身体から、ゆっくりと力が抜けていく。 「譲子、ちゃ…」 先輩の抑えようとする掠れた声に、震える肩に、思わず涙が零れ落ちた。 私は抱きしめていた手を緩めて、先輩の顔を覗きこんだ。 今なら分かる。 先輩の笑顔の下に、どれ程の我慢があったのか。 弱音を吐く事無く自分と戦っていた。 死の不安を笑顔に変えて、私の心を守ってくれようとしていた。 「だからもう――隠さないでいいよ。あなたを、全部、見せて」 ぐしゃ、と泣きながら、なんとか笑顔を作ってそう言えば、先輩がはっと目を瞠った。 「綺麗じゃなくても、かっこ悪くてもいいの。先輩がいない世界なんて何の価値もないの。先輩にいて欲しいんです」 先輩の笑顔が揺れて――やがて滲んだ。 「ありが、とう…」 先輩の目から零れ落ちた涙をそっと拭ったら、先輩の手が私の涙を拭った。 それが何だか可笑しくて、私はぼろぼろと涙を零しながら、泣き笑いした。 「はじめて会った時みたいですね」 「え…譲子ちゃ…思い出したの?」 「はい…ねえ、私、あの時も、こうやって泣いていて…困らせましたよね?」 すり、と先輩の手に顔を擦り付けてみせれば、笑いながら拭いてくれた。 「変わってないんですね、私」 「それ言ったら、ボクも同じだよ」 先輩もお返しとばかりに私の手に顔を寄せた。 庭の光に照らされて、泣いて、笑って。 「ずっと、同じところにいたんですね、私達」 「そうだね…」 きらり、と沢山の緑を反射して、光が眩しくまた光った。 ◇ 「ああ、さっぱりした」 短くなった髪で笑う先輩は、何だか眩しかった。 「子供の頃に、戻ったみたいですね」 「うん。何だか軽いよ」 きっと、軽くなったのは、髪の毛だけじゃないんだろうな、と思いながらも言ってみる。 「でも…少しだけ、もったいないって思っちゃいます。あの髪形も、先輩にとっても似合ってたから…」 そう言った私に、先輩は振り返って笑った。 「ふふ、ありがとう。譲子ちゃんが好きなら、また、伸ばすよ」 「先輩」 「それでいいかな?」 「……はい!」 光の中で手を繋いで、変わらない日常の中に、ゆっくりと感情の根を張ってゆく。 ボク達は 私達は これでいいんだ やっとここに戻って、 ここから、はじめよう 二人で ―― 最初が最後の恋
やっと報われたのですね!らぶらぶv 長かった、いろんな意味で長かったですよ! おめでとう、譲子ちゃん!!(本家の方もお願いしますよ(笑) のぞみくん、髪をきっちゃってまた伸ばすっていってるけど、短いのになれちゃったらきっと長くはできないと思います。うふふ。どこまで伸ばせるかなぁ? 私の方も幸せにしたげたいけど、そうすると冬の話アタリからかかないといけない。書きたいものが多すぎるー!! こっちは譲ちゃんが髪切ったり。いや、逆に伸ばすかな?(笑)
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ひとまず、絵だけ。
※この話はだーいぶ前のログ「light house」の続きです。 「君が好きだよ」 先輩がそう告白してくれたのは先日のこと。 そして…今、私の左手には小さな指輪が輝いている。 ムーンストーンのついた指輪。 私だけの、小さな丸い月。 「譲子ちゃん、お誕生日おめでとう。ええと…約束してた物。受け取ってくれる…?」 私の誕生日に先輩はそう言って小さな包みを差し出した。 照れくさげで、得意げで、なのにほんの少しだけ不安そうにはにかんで。 「ありがとう、ございます。嬉しいっ…!」 先輩は私の顔を見て、ようやくほっとしたように笑った。 きっと今の私の顔、全部気持ちがでちゃてるんだろうなって少しだけ気恥ずかしい。 どうしよう、私、子供の時みたいに笑ってるに違いない。 笑顔って内側から零れおちるんだって初めて知った。 でもいいんだ、しょうがない。私、本当に本当にこの人が大好きなんだから。 私は受け取った包みを開けてみて、はっと目を瞠った。 箱に納められていた指輪は、先輩のバイト先で見かけて私も可愛いなって思っていたものだったから。 これについていた、けして安くはない値段もさりげなく見てたから、私はびっくりして先輩を見上げて―― 照れた瞳に答えを見つけた。 「もしかして、先輩、アルバイトの理由って…これの為…ですか?」 「うん。気に入ってくれた?」 私はもう声もあげられなくて、でも嬉しくて仕方ないから、先輩にそのまま抱きついた。 先輩は一瞬固まった後、おそるおそる私の肩に手をおいて、抱きしめてくれた。 以前の先輩なら、きっと私の頭を優しく撫でるだけだったに違いないのに。 腕の中の私を確かめるように苦しいくらい抱きしめる力に、先輩も本当はずっと前からこうしたかったんだってわかる。 私もずっとこうやって先輩にくっつきたかった。 もう、私達、前とは違うんだ。 うれしくて、しにそう。 そう呟いたら、先輩の胸から苦笑が聞こえてきた。 「嬉しかったら、いっぱい一緒に生きていってくれる?」 体を離して見上げたら、先輩の笑顔が視界に飛び込んできた。 ○ つづきます
先輩は、私の手の中の箱から指輪を取り出すと、光に当てて透かして見て笑った。 「結構小さいなあ。店で見たときには大きく見えたんだけど」 「そんな事ないです。だってこれ…凄く高かったじゃないですか」 「え?譲子ちゃん、これの値段知ってるの?」 「ええと実は……この間お店に行った時にこの指輪、欲しいなって思ったんですけど、値段見て諦めたんです…」 「じゃあ、やっぱりこれは」 先輩は笑うと、私の手を取った。 「譲子ちゃんの物になる運命だったんだね」 永遠の一瞬。 次に何をするのかなんて、私も先輩も、もうわかってる。 なのに手は小さく震える。胸の鼓動は跳ねる。 あらかじめ定められた予定調和。でも流れる音楽は甘やかで、扇情的で、止めることなんてできない。 時が止まればいいなんて、歌にも小説にもあふれかえっている陳腐なお定まりの言葉なのに。 ああ本当に、私が神様だったら、この時間ごと真綿でくるんでしまいたい。 おそらくは、さほどの時間もかからずに、指輪は私の左手の薬指に、するりと吸い込まれた。 弓道をしているから、あまり繊細とはいえない指なのに。 家事で水仕事もするから、邪魔になるからと、指輪なんてあまりしたこともないのに。 先輩がくれた指輪は、私の指が定められた約束の場所であるかのように、違和感なく納まった。 私の手も、華奢な指輪に存在を否定されることなく、ただ受け入れて。 「似合うね」 その先輩の言葉と笑顔の為に。 私と指輪は惹かれあったんだって思えた。 「ありがとう、ございます…」 先輩はもう一度私を抱きしめると、感慨深げに「ようやく、手に入ったなあ」って笑った。 それは私ですか指輪ですか?って聴いたら、 「どっちも」 って、やっぱり笑い声で、そう言った。 私も手をのばして、先輩の体を抱きしめる。 先輩の背に回した自分の手に触れれば、指輪の感触があった。 先輩はこの小さなリングで私をつかまえて、私は腕で囲んだ輪の中に先輩をつかまえて。 その私の輪を先輩の腕が囲む。 輪が、どんどん広がっていく。 月の周りに現れる天文現象みたい。 月暈、白虹、paraselene、幻月環 私も、ようやく 満月をつかまえたの。 ○ 久しぶりの本編連載。 本当はバレンタインにUPしたかったんですが間に合いませんでした(汗) ちょっと遅ればせながらsavaからの甘いプレゼントです。
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総さまから恐ろしいバトンが飛んできましたので、ここで回答しますです。 本当は別々にいただいたんですがまとめて、ドーン! 親友バトン ◆指定⇒「お姉さん&麗慶」 意外すぎて正月に食ったモチが鼻からでるかと。 麗慶様ですよね?そしてお姉さんて、ツアコンとして総さまのお宅から派遣されたあの方ですよね? ●もしも、『お姉さん&麗慶』が親友だったら? きっと毎日どつかれるに違いない。卓球のボールのように2人の間をぽんぽんと… ●朝、携帯電話の待ち受けを見ると「今日からあなたは『お姉さん&麗慶』の親友です」 何ですかこれは?新手のホラーですか? ●次の瞬間、『お姉さん&麗慶』から遊びに行こうとメールが来た。どうする? 何ですかこれは?新手の都市怪談ですか? ●『お姉さん&麗慶』から恋愛相談のメールが来た。どうする? 何ですかこれは?チェーンメールですか? ●『お姉さん&麗慶』から電話がかかってきた。どうする? うわあ、「着信アリ!」 ●『お姉さん&麗慶』の家に呼ばれたら? ようやく信じるかもしれません。 ●親友に一言? …親友、て…言っても殴らない?蹴らない?どつかない? ◆親友を作ってあげたい5人を紹介してください 結構まわっておりますので、ここで打ち止めにします。 返ってくる球が剛速球なので怖くて投げられません(うっかり本音が) ◇ 友達の友達はみな友達だの論理でいけば、お姉さんと麗慶様もお友達? どんな会話するんでしょうこのお二人…ねえ?
ちっ 一まとめにされた(笑) この二人を指定すれば、ココで絵が見られるかな〜なんて策略があってまわしたなんてことは、ここで白状します。 お姉さんも麗慶も、ドツキはしませんよ。言葉で弄るだけで。たぶん。 「やぁねぇ。親友がホラーってどういうことかしら?お望みならそうしてあげるのが友情ってものよね。 スプラッタホラーとサイコホラー、どっちがお好み?」お姉さんは超笑顔 「チェーンメールとは次々と人を増やして鎖のように繋がって送られるメールのことですが。 君は親友の相談事を、人にメールでまわすつもりですか?」麗慶は激笑顔 「「親友を殴ったり蹴ったりしないわ(ません)よ。ただ心ゆくまで可愛がるだけで(す)。」」二人同時にニコ笑顔。 お姉さんと麗慶はリズが絡まなければ良いコンビになるかと。 リズが間にくると、とたんに天敵になります。お姉さんはリズで遊ぶし、麗慶はリズが絡むと乙女化するので。 そんな関係(笑)
いいですよ〜真面目に麗しく2人を描いても私は一向に差し支えないんですけども。 …〆切、ぶっちぎりますよ。 総さまのご依頼の某絵に苦しんでおりますのよ〜だから短縮させていただいたのですのよ〜さあどうなさいますの〜?? うふふふふふふふふ。
じゃぁ、某絵が終わってから、お待ちしてますね(笑) ふふふふふ〜 sava様、またとんでもなく凝っているんじゃないですか? 職人魂もほどほどに、ですよ。 ではお待ちしてマースv
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停滞気味ですみません、ちょっとブレイク。 デートメーカーやってみました。 望と譲子のデート http://usokomaker.com/date/?a=Maker&oo=%CB%BE&oo2=%BE%F9%BB%D2 あやとりで盛り下がるなよ!(爆笑) 私的にはラストがすげーツボです。 すごいこの2人らしい。
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警告〜 臣とオリキャラ(女)との思い出話です。 オリキャラダメな人は読まないでね。 こんな異常気象なパラレルを読んでくれてる人は大丈夫だと思うけどねんのため(笑)
「もしも、私や将臣に恋人ができるとしたら、たぶんそれは家族になる相手じゃないかなぁ。」 それくらい大切な相手だという意味で言ったんだろうが、それはまるで… 「結婚前提のお付き合いってか?」 「あはは、それもいいかもね。」 「中学生でそれはムリだろ。」 「わっかんないわよ。早い子は早いもん。」 ケタケタと大笑いする青子に、にやりと笑って言う。 「ふぅん。じゃ、俺が申し込んでもいいわけだ。」 「は?」 青子が笑顔のまま固まった。 「…冗談。」 「半分は。」 残り半分は本気と伝えてやると、青子が鳩が豆鉄砲をくらったような顔をした。 プッと噴出して笑うと、青子がむっとした顔になる。 「冗談は笑えるものにして。」 「半分本気だって。」 笑って言う臣に、青子がため息をつく。 「でも、まだそういう『好き』じゃないでしょ?」 「ああ、だから。」 そっと髪を撫で、妹にするように額にキスをする。 「結婚できる歳になって、そういう好きになったら…奪いに行っていいか?」 「それまでに私が相手を見つけている可能性はナシ?」 「限りなく低いだろ?お前の場合、好きになってても気付かなさそうだ。ぼんやりしてっからな。」 「アンタに言われたくない!」 青子は怒るけど。家族だけが大切で、他に大切なものを作らないといっていた青子が、俺をあそこまで理解するほど見ていたのは、何故だ? そう言ってやると、口篭る。 なんか、興味があっただけ、なんていうけれど、それが恋愛の第一歩だろ。 「今はまだ、ガキだからよ。家族の方が大切なんだわ。」 「私もだよ。」 「だから、大人になったら。」 「それまで、覚えていたらね。」 にっと笑う顔に、笑みが零れた。 「残り数日で忘れられなくしてやるぜ。」 「私忘れっぽいから、無理。」 軽口を言い合って二人して笑いあって。 今はまだ、少しだけ特別なただの友達。 けれど、あと数年したら… 「お互い別の恋人作ってたりして。」 「ま、それはそれでいい思い出だろ。」 そう言って、また大笑いした。 「お、今夜は鯖の梅煮か。」 「兄さんって鯖が好きだよな。昔はそうでもなかったのに。」 「そうか?」 「うん。中学を卒業するあたりまで…そういや、そのころまでは、彼女をとっかえひっかえだったよな…」 ボソリと呟く譲に、将臣が苦笑した。 「ま、お年頃ってヤツで、な。」 「たく。先輩といい兄さんといい中学って、そういう年頃なのか?」 「かもな。第二次性長期ってヤツだろ?」 「それを言うなら第二次性徴!増やすな伸ばすな!!」 真っ赤になって怒る譲の頭を撫でながら、鯖を見る。 鯖が好きというよりは、コレを見てると青子を思い出すんだよな。 何でも、前の学校でのあだ名が、ウミサバ(海鯖)だったとか。 それなら、お前を食い尽くしてやると笑ったのが、始まりだった気がする。 目の前の大切な弟妹たちが落ち着くまであと少し。 そうしたら、この気持ちに名前が付けられるようになるだろうか。 波間を漂うように、やさしくゆれ動く心に。それを欲する感情に。 あの海のような瞳を欲する想いに。 海は海でも、時化にならないことを願うけどな。 ===== 終わり〜 バレンタインに絡めようとしていた話。ここでアップ。 最近鯖を見ると食べたくてたまりません。というか食べまくってます。 鯖の煮付けっておいしいですよね☆ ウフフv
うわあ、久しぶりの総さまの更新だわvvv とウキウキ読みつつ、アワアワ言いつつ。 どことなく自分に似たような名前が出ていて思わず煮えてしまいますわ。 ななな、なんて名前をお付けになって・・・(照) 鯖は美味しいですけど、私は美味しくないです。 なんたって、賞味期限切れてますからね(笑) 臣の相手はてっきり年上のツアコンお姉さまだとばかり思っておりました。 でもなんだかいいかんじですね。うん、家族は大事だよ。臣は家族を大事にしてくれるね。きっと。 この2人がまた図書館で再会したらいいなあ、と思います。 本の海で待ってるから、見つけてね、将臣。
久しぶりなお話は、おもきし誤字脱字の嵐… しょっぱなから名前間違えてる〜 リハビリリハビリ 青魚青子じゃなくて、海魚青子だ〜 青魚にするか迷ってましたからね。 名前は絶対この字!と考えて、いろんな読みを調べましたよ〜(笑) 臣の相手は「まっててくれる」女の子と考えてました。 臣が大切にしてるものを理解して、見守ってくれる子。 同年代にしてしまったので、見守るのではなく同じような感情を持つ子になりましたが。 臣なら深海に住むsavaいえ鯖もきっと釣り上げちゃいますよ! 下の塗り絵の注意事項�B そんな塗り方があったんだ!と爆笑してしまい、ただいま誘惑と乱闘中です。 どうしましょう、sava様…
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ヒイ!ようやくUPできた〜〜〜〜〜!!!!! 大きく描きすぎて、許容バイト超えまして・・・(汗)(汗)(汗) さっきから色々やってたんですけど、 線画だけだったらOKだったのね・・・ ああ、もうこんな時間!!ヒイイイ!! >総さま 色つきバージョンはスクショしましたので、後でウラに落っことしておきます。 お暇な時にでも、サイトのTOP絵更新してくださいませ。
awcのトップとバナー変更しておきました。 お疲れ様でした〜! 色付きだとほんわか温かくてよいですね。 このまま塗りえにしても楽しそうですけど(笑)
塗ってくれますかねえ(笑) 募集でもしようかな。 こんな絵でも塗ってくれるという人がいましたら、以下のお約束だけお守りいただければ、お持ち帰りOKですよー お約束: �@配布元(AWC)の明記 �A線画元(sava)の明記 �B悪意を持った塗りはしないで (のぞむにヒゲとか、のぞみにハゲヅラとか描かない) �C塗った作品をご自分のサイトにUPするのはご自由にどうぞ。ただ、一言お知らせいただければメチャ嬉しいです。 �D塗り方は原画がわかる程度の変更は自由です。(例えば、厚塗りで線画が隠れても全然OK) 以上をお守りいただければ、どなたでもどうぞチャレンジ下さいませ。
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